米国小学校の愛国心と愛育心―その?
●学校・地域一体で子供を教育
ところで、話をアーモンド小学校に戻そう。取材を快く承諾して下さったジョー・マックレイ校長は満面の笑顔で迎え入れて下さり、孫娘の入学当初から現在までの実に濃やかなる状態の変化を聞かせてくれた。担任と連絡をとりあい、アドバイスを与えながら一生徒の実情をくわしく把握してくれている事に先ず感服した。
いじめに関する質問には「ある」と答え、生徒間でのボデイータッチを禁止している(わかりやすい)ので物理的ないじめはない。低学年の口論や物の取り合い等は高学年生徒のコンフリクト・マネージャ(問題解決係)が仲裁に入る。高学年生の喧嘩は、先ず担任が仲裁し、その後彼らとその両親を校長室に呼んで校長が話し合って解決していく。いじめを決してうやむやにしない姿勢に信頼が強まる。
息子が「以前校長先生が朝礼の折『児童に力を与える。それは責任、親切、忍耐、ユーモアである』と話された」ことに触れると、「それは、この学校、地域の父母が決めた事で、?16の項目?(※2)がプレートに刻まれているのでお見せしましょう」と校門入口の現場へと案内して下さった。
この様に、学校の方針を決める等、父母の関与を実感した。と言うのも、この小学校においては、より良い教育を提供する為に様々な能力での親、地域の方々のボランテイア参加が受け容れられていることであった。それが可能という事は、お互いが信頼関係で結ばれ又、特に学校側の寛容の気持ちがあればこそであろう。
入学当初、環境も異なり、言葉もわからぬ孫は先生はもとより、父母のボランテイアの方々に給食時や移動などの世話をして頂き、又「遊びにおいで」と自宅への招待や、「心配しなくて大丈夫」などと簡単な日本語で慰めたり励まして頂いたと、息子達から聞いた。
その上、英語の出来ない子供達に、毎日1時間程個別の英語の授業をしてくれる。私達が見学した日本人の男の子と孫2人の授業には、英語担任のコリー・ブロム先生がカード等を用い実に丁寧に熱心に愛情を注ぎ指導下さっていた。州立小学校なので年間授業料は無料の由。息子達は、感謝の気持ちを寄付の形で表わしているとの事だったので私共も安堵した。
見学を通し、子供達ひとりひとりが見守られスクスクと育つ様に家庭と学校で愛情を注がれた子供達は大人になった時、今度はきっと愛情を注ぐように育ってくれるに違いないと強く思うことができた。今回、アメリカの一小学校の見学を通じただけで、アメリカの学校教育を語ることは決して出来ない。しかし、自国を愛し、学校、家庭、地域社会が協力して将来国を担っていく子供達に安心して国を託すことが出来る様取り組んでいる姿勢を頼もしく、羨ましく思った。
ジョー・マックレイ校長が「あなたのお孫さんはこの学校に来て幸せですよ」と笑顔を交えて語ってくれた言葉を噛みしめた。
※2 Almond School (校則)
? COMMON SENSE 常 識
? SENSE of HUMOR ユーモアのセンス
? CURIOSITY 好奇心
? PATIENCE 忍 耐
? ORGANIZATION 組織力
? RESPONSIBILITY 責任感
? COOPERATION 協 力
? EFFORT 努 力
? COURAGE 勇 気
? CARING 気配り
? FRIENDSHIP 友 好
? PERSEVERANCE 不屈の心
? INTEGRITY 高 潔
? FLEXIBILITY 柔軟性
? INITIATVE 進取の心
? PROBLEM SOLVING 問題解決能力